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[宮城県高校総体]「サイドバックでも点を決められる選手に」紺野心夢が3得点に絡み、仙台大明成が第3シード獲得

2026年6月8日
第75回宮城県高校総体サッカー競技女子 第3シード決定戦
聖ウルスラ 0-4 仙台大明成 (35分ハーフ)
得点:[仙台大明成]田高美月(6分)、菊地埜那(38分)、紺野心夢(62分)、櫻井碧(68分)

2026年6月8日、第75回宮城県高等学校総合体育大会サッカー競技女子の第3シード決定戦が、みやぎ生協めぐみ野サッカー場Aグラウンドで行われた。仙台大学附属明成が聖ウルスラ学院英智を4-0で下し、第3シードを獲得した。

前半6分に先制点をアシストした紺野心夢(3年)は、前半アディショナルタイムにはコーナーキックで2点目を演出。後半には左サイドバックから前線に移り、自らも3点目を決めた。高いラインとコンパクトな守備で対抗した聖ウルスラに対し、仙台大明成が最初の好機を生かし、紺野を起点に得点を重ねた試合を振り返る。

聖ウルスラが前進を制限、紺野心夢のオーバーラップから先制

立ち上がり、聖ウルスラは高いラインとコンパクトな陣形で仙台大明成のビルドアップに制限をかけた。前半2分には矢野晏有(3年)がスローインから反転し、この試合最初のシュートを放った。

仙台大明成にとっても、簡単に前へ進めない時間が続いた立ち上がりだった。

均衡を破ったのは前半6分だった。中盤でつないだボールが左サイドへ渡ると、鈴木愛梨(2年)が内側へポジションを取り、その外側を紺野がオーバーラップする。紺野が左足でゴール前へ折り返すと、田高美月(3年)が右足で合わせ、仙台大明成が先制した。

高いラインとコンパクトな守備を敷く聖ウルスラに対し、仙台大明成は前半6分という早い時間に最初の好機を得点へつなげた。

左サイドを軸に攻撃を組み立て、コーナーキックから追加点

先制後、仙台大明成はボールを保持する時間を増やしていく。ディフェンスラインの鈴木葵(3年)がサイドや縦へパスを散らし、アンカーの佐藤和奏(2年)が受けて左右に配球。前線では佐々木愛蘭(2年)がポストプレーで起点となり、周囲の飛び出しを引き出した。

左サイドでは、鈴木愛梨が内側でボールを引き出し、その空いたスペースを紺野が繰り返し使う関係が機能する。同じ形からの崩しだけでなく、鈴木愛梨のドリブル突破や中央からの展開も加わり、仙台大明成は複数の形でゴールに迫った。聖ウルスラもコンパクトな守備でビルドアップを制限し続けたが、押し込まれる時間は徐々に増えていった。

前半アディショナルタイム、仙台大明成が追加点を挙げる。右サイドのコーナーキックを紺野が左足で蹴ると、ニアポスト付近に入った菊地埜那(2年)がヘディングで合わせた。前半は2-0で終了する。

前線に移った紺野心夢が3点目、櫻井碧が4点目

後半に入っても仙台大明成の攻勢は続いた。途中、佐々木愛蘭に代わって横山美羽(2年)が入ると、左サイドバックには横山が入り、紺野が前線に上がる。後半27分、紺野は菊地のパスに反応し、ゴール前で粘って自ら3点目を決めた。

試合を締めくくったのは、後半33分の場面だった。左サイドバックの横山がディフェンスラインの背後へロングボールを送ると、抜け出した櫻井碧(1年)が飛び出したGKの頭上を越す浮き球で4点目を決めた。聖ウルスラも終盤までゴールを目指したが、仙台大明成が4-0で勝利。左サイドバックから前線まで役割を変えながら3得点に絡んだ紺野のプレーが、試合の流れを大きく動かした。

「サイドバックでも点を決められる選手に」紺野心夢の現在地

「今日は勝たなきゃいけない試合だった」

前日の準決勝は敗れて終わっていた。それだけに、この日の第3シード決定戦にかける思いは強かったという。

「昨日負けてしまって、今日は勝たなきゃいけない試合だった」。前日の内容にも収穫はあったといい、前半を無失点で抑えられていたことを継続しながら、早い時間に得点を重ねたいという前向きな気持ちで試合に入ったと振り返る。

前半6分の先制については「最初に決め切れたのは良かった」と手応えを口にする一方、そのあとは決め切れない時間もあったと明かした。

聖ウルスラの守備にどう向き合ったか

立ち上がりから高いラインとコンパクトな陣形で対抗した聖ウルスラについて、紺野はチームの雰囲気にも触れている。声を出し、明るく強く戦ってくるチームだと感じ、「その雰囲気に飲まれないように、自分たちの空気も作りながらやろうとしていた」と話す。

戦術面では、同じ形を繰り返さないことを意識したという。同じところへパスを出し続けると読まれてしまうため、テンポを変えたり、ドリブルで中へ切り込んだりする形を話し合っていた。

ボールを持てる時間が増えた分、焦って遠くから打ってしまう場面もあったと振り返る。「ペナルティエリアに入って、1点目みたいにサイドから崩して、クロスを上げてシュートという流れが、自分たちのチームにとって一番良い形」だと力を込めた。

鈴木愛梨との左サイド、ハーフタイムの修正

先制点の場面でも軸になった鈴木愛梨との関係について、紺野は役割の噛み合いを説明する。「愛梨は中にも切り込んでくれるので、その分、縦のスペースが空く。そこに自分がオーバーラップで入っていける」

ただ、試合の途中から聖ウルスラの守備が鈴木愛梨へのコースを警戒し始め、二人の連係がやや出しづらくなった時間があったという。

「愛梨をもっと中に入れさせて、自分が外に開けば、葵が縦に当てられる」。紺野はハーフタイムに鈴木愛梨と話し、同サイドのセンターバックに入る鈴木葵にも動き方を共有したという。三人で状況を見ながら修正できたことは、チームとしてのコミュニケーションの多さの表れでもあった。

サイドバックから前線へ、3点目に込めた思い

前半アディショナルタイムの2点目は、コーナーキックからの狙い通りの形だったという。「決めたのは埜那。ヘディングが得意な選手。結構合わせてくれるので、そこを狙った」。菊地の高さを信頼したうえでのキックだった。

後半、横山美羽の投入とともにポジションを前線へ移した紺野は、意識の変化を語る。「トップの役割は、点を決めることだと思っている。だから、点を決めなきゃという思いがあった」

自ら決めた3点目は、最初のシュートがうまくミートできなかったという。「最初、空振ってしまって、『やばい』と思って焦った」。それでも落ち着きを取り戻し、冷静にゴールへ流し込んだ。

サイドバックの楽しさと、これからの目標

紺野にとって、サイドバックは最初から得意なポジションではなかった。中学時代はボランチが主戦場で、高校でもサイドハーフやトップなど複数のポジションを経験してきたという。

転機になったのは1年生時の国体だった。「自分は本当にバックが苦手な選手だと勝手に思っていたけれど、サイドバックをやって、その良さに気づいた」。守備をこなしながら攻撃参加もできる感覚に魅力を感じ、オーバーラップやクロスに関われる点にサイドバックならではの楽しさがあると語る。

第3シードを懸けた一戦を終え、視線はすでに次に向いている。「ゴールを決め切るところが課題」と積み上げたい点を挙げたうえで、縦への突破を仕掛け切れないことも今の課題だという。「サイドバックでも点を決められるような選手になりたい」。そう締めくくった。