2026年7月25日、NACK5スタジアム大宮でRB大宮アルディージャWOMENとFCバイエルンWOMENの国際親善試合が行われ、1-4でバイエルンが勝利した。
スコアだけを見ればバイエルンの快勝だが、RB大宮も前線から奪いに出る守備、奪った後の素早い攻撃、サイドバックの攻撃参加、そして後半の配置変更から生まれた得点と、具体的に振り返るべき場面を残している。バイエルンの中盤では谷川萌々子が低い位置から攻撃の組み立てに関わった。
RB大宮は前から奪いに出る
RB大宮は立ち上がりからバイエルンの最終ラインに人数をかけてプレッシャーをかけ、自由にビルドアップさせない姿勢を見せた。
12分には門脇真依が相手選手の間で受けると、杉澤海星がドリブルで前進する。杉澤から預け直されたボールを門脇がターンしてさばき、西尾葉音へ。西尾がこの試合のRB大宮ファーストシュートを右足で放った。杉澤が前へ出たことで、攻撃に厚みが生まれた。
ボールを奪うだけでなく、奪った後に素早く前へ出るところまでを狙った立ち上がりだった。
谷川萌々子を起点にボールを動かすバイエルン
バイエルンは中盤の低い位置に構える谷川を経由して攻撃を前進させた。谷川は最終ライン付近まで下がってボールを引き出し、縦パスや持ち運び、サイドへの展開で攻撃をつなぐ役割を担っている。
19分には谷川の縦パスから前線へボールが入り、そこから背後を狙う動きにつながった。続く20分には、前線から下がって受けた選手を経由して再び谷川へ戻ると、谷川が左へ展開。そこからカットインしたクララ・ビュールが右足でクロスバーを叩いた。
低い位置で受けるだけで終わらず、そこから前進させる役割を担っていたことが分かる場面だった。
一方のRB大宮は西尾を中心に谷川へ厳しいプレッシャーをかけ続けた。32分には西尾が谷川を監視し続けたことがパスの乱れを誘い、そこからボールを奪って自らシュートまで持ち込んでいる。
谷川を経由して前進しようとするバイエルンと、その起点を消そうとするRB大宮の攻防も、この試合の一つの見どころだった。
サイドから攻撃の回数を増やしたRB大宮
前半中盤から終盤にかけて、RB大宮は前から奪って素早く前進する形を繰り返した。
23分には西尾が背後へ抜け出してシュートを狙い、36分以降は浜田芽来が左から中央へ運ぶドリブルで攻撃の起点になる。浜田が右へ展開すると杉澤がオーバーラップしてクロスを供給し、門脇がシュートへ持ち込んだ。
42分には浜田が長い距離を運び、逆サイドの杉澤まで展開している。守備では佐藤百音が対人の強さを見せてボールを奪う場面もあり、GK伊藤有里彩も背後へのボールへ素早く対応した。
前から奪う。奪った後は素早く前へ出る。さらにサイドバックが攻撃参加し、浜田のドリブルから左右へ展開する。前半中盤以降は、こうした形からRB大宮が攻撃の回数を増やしていった。
一方で前半終了間際にはカウンターから追加点を許し、0-2でハーフタイムを迎えた。
0-3から前線を組み替えたRB大宮
後半12分、バイエルンは大きなサイドチェンジから左へ展開し、ビュールの落としを受けたカタリーナ・ナッシェンヴェングが中央へ運んで左足で決め、0-3となった。
その直後、RB大宮は浜田、西尾に代えて大島暖菜、髙橋佑奈を投入する。大島が右サイド、髙橋が左サイドに入り、後半開始から出場していた宗形みなみがセンターフォワードへ移った。
3点差となった直後に前線の形を変えたRB大宮は、ここから攻撃の出方を変えていく。
髙橋佑奈の左サイド突破、宗形みなみが1点を返す
交代後、左サイドに入った髙橋が縦方向へ仕掛ける場面が増えた。
投入から間もなく、髙橋が左のスペースへ抜けてゴールライン際から折り返し、宗形がシュートへ入る場面を作る。
後半27分には林みのりが左へ長いボールを送り、髙橋が受けて相手を1人かわしてクロス。ゴール前に入った宗形がうまく頭で合わせて1-3とした。
髙橋が左から縦へ運び、宗形が中央でゴールを狙う。交代と配置変更によって生まれた形が、そのまま得点につながった。
1点を返した後もゴールを目指したRB大宮
1点を返した後もRB大宮は前へ出続けた。
宗形がボールを奪って髙橋へつなぎ、髙橋がペナルティーエリアへ低いボールを送る場面や、大島が右サイドから速く低いクロスを入れる場面が生まれる。さらに終盤には、宗形の落としから辻あみるがシュートまで持ち込んだ。
左右からゴール前へボールを入れながら、追加点を狙い続けた。
しかし90+3分、ペナルティーエリア内でハンドの反則を受け、バイエルンにPKを献上。公式記録によると、これをアララ・シェヒトラーが決め、最終スコアは1-4となった。
スコアだけでは見えないRB大宮の戦い
RB大宮は前線から奪いに出て、奪った後は素早く前へ進んだ。杉澤、佐藤らサイドバックも攻撃参加し、浜田はドリブルで前進の起点となった。西尾は谷川への守備と、自らのシュートの両方に関与している。
後半は髙橋の投入と宗形の配置変更から得点が生まれ、1点を返した後も攻撃を続けた。
相手側では谷川が低い位置からボールを引き出し、縦やサイドへつなぎながらバイエルンの攻撃を前進させた。一方でRB大宮は西尾を中心に谷川への圧力を強め、そこからボールを奪ってシュートまで持ち込む場面も作っている。
1-4というスコアだけではなく、RB大宮がどのように前へ出て、どこからゴールへ迫ったのか。そして、その相手側で谷川がどのように攻撃の起点となっていたのかまで見ると、この試合の輪郭はよりはっきりする。
試合はWOWOWでアーカイブ視聴が可能だ。女子サッカーの配信・視聴方法については、みなサカの視聴ガイドで別途まとめている。