
2026年1月11日
第34回全日本高等学校女子サッカー選手権
▽決勝
柳ヶ浦 1-0 神村学園
(45分ハーフ)
得点:[柳ヶ浦]村上凜果(43分)
第34回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は1月11日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で決勝が行われ、柳ヶ浦(大分)と神村学園(鹿児島)が顔を合わせた。史上初となる九州勢同士の決勝は、1点を争う緊迫した展開となった。
試合が動いたのは前半43分、柳ヶ浦はコーナーキックを獲得する。ゴール前には長身選手が並ぶなか、MF門馬有琉(2年)が蹴ったボールはニアサイドへと向かう。ここに迷うことなく走り込んできたFW村上凜果(2年)である。
強風が吹く中でも巧みに合わせ、コースを変えて放ったヘディングシュートは、そのままゴールへと吸い込まれていった。
歓喜の輪が解けると、「嬉しすぎて、何も考えていなかった」と振り返った村上は感情の赴くままにベンチへと走る。村上の今大会2ゴール目が決勝点となり、柳ヶ浦が1-0で勝利。悲願の初優勝を飾った。
柳ヶ浦は初戦となった2回戦、つづく3回戦を0-0からのPK戦で制し、粘り強く勝ち上がってきた。ここまでノーゴールで迎えた聖和学園との準々決勝では、開始直後の前半3分に待望のチーム初ゴールが生まれる。この得点を決めたのも村上だった。
ビルドアップする聖和学園の選手にプレッシャーをかけた村上がボールを奪い、すかさず右足を振り抜く。放たれたシュートはキーパーの頭上を越え、ゴールへと吸い込まれた。この先制点をきっかけに流れをつかんだ柳ヶ浦は、エース・松田吏真(3年)の2得点などで4ゴールを奪い、4-0で快勝している。
「良い守備から良い攻撃がうちのコンセプト」(林和志監督)。その言葉どおり、前線プレスから奪って生まれた1点目と、決勝の舞台でチームを頂点へと導いた2点目。チームに大きく貢献する2ゴールを刻んだ村上に、試合後話を聞いた。
インタビュー
※複数記者による囲み取材のコメント編集して掲載しています。
ーーお疲れ様でした。まずは試合を振り返ってください。
本当に苦しい時間帯もあったんですけど、自分が点を決めて勝たせるという強い気持ちがありました。みんなの気持ちがひとつになって、自分のゴールにつながったと思います。
ーー得点シーンを振り返ってください。
コーナーはファーに蹴るという狙いがありました。その中でも、自分のところに来たら絶対に決めるという気持ちがありました。背の高い選手が多いので、そういう選手が決めることもあるんですけど、逆に小さい選手がニアに入ろうという話はしていました。
ーーチームとしてニアを狙っていたようにも見えましたが。
最初はファーを狙っていました。風もあったし、ファーはみんなに警戒されてるからこそ、ニアが空いてたんだと思います。
ーー自身のプレーを振り返ってください。
あまり思うようなシュートや崩した形はなかったんですけど、ボールを収めることや味方をうまく使うところは、いつも通りのプレーができたと思います。得点という部分では2点取れたのはすごく嬉しいですけど、個人で行くところはまだまだだと思っています。来年は、もっと自分でも行けるストライカーになります。
ーー2トップを組んだ松田選手との関係性について教えてください。
吏真さんとは、2人で崩して決めようという話をしていて、ずっとコミュニケーションも取ってきました。2人の関係性はすごくいいと思います。
ーー松田選手は、どんな存在ですか。
本当にプレーでは尊敬しかなくて、ずっとチームを引っ張ってくれる先輩です。プレーだけじゃなく、声や姿勢の部分でも、全部引っ張ってくれています。
ーー松田選手は、プロ入りも決まっていますが。
(なでしこリーグ1部の伊賀FCへの加入が内定している)
自分も追いかけたいです。
ーー今日は苦しい時間帯もあったと思いますが、どんな声かけをしていましたか。
自分は、声とか泥臭いところを引っ張る選手だと思っています。苦しい時間もたくさんあったけど、試合の合間でハイタッチをしたり、「できるできる」「大丈夫」といった声は結構かけていたと思います。3年生もキャプテンを中心に声をかけてくれていたので、自分たちも最後まで笑顔で自信を持ってプレーできました。
ーー試合直後のインタビューでは、”なかなかゴール決められなくて”と話していました。試合に臨むにあたって、こういうプレーを絶対しようとか、意識してたことはありますか。
まずは前からの守備です。吏真さんと、前から行こうという話をしていました。良い守備から良い攻撃というのが柳ヶ浦のサッカーだと思っているので、それができて、そのプレーが得点にもつながったと思います。
ーー今大会を振り返っていかがですか。
今大会は、初戦など最初の方はなかなか前線が得点できませんでした。後ろがゼロで抑えてくれていた分、聖和学園戦から前線がしっかり結果を残せたと思います。3年生の力もあって、この決勝の舞台まで来ることができて、日本一になれたんだと思います。
ーーこの大会が終わってみて、成長を実感できたところは何かありますか。
自分は1年生の頃、うまくいかないと下を向いてしまったり、それがプレーに出てしまうことがありました。うまくいかないことがたくさんあったんですけど、もうやるしかないという気持ちで、何回外してもチャレンジしようと。チームがそう言ってくれていたからこそ、自分もミスを恐れずどんどんチャレンジできました。
ーーうまくいっていなかった時期に、改善するために取り組んでいたことはありますか。
練習の時から、シュートを外したら「あー」と言ってしまうことがあったんですけど、そういうのをなくして、ひたすら打ち続けることを、ずっと練習からやっていました。
ーーキャプテンを含めて、3年生はどんな存在でしたか。
頼れる存在でした。いろいろ迷惑をかけてきたんですけど、最後は3年生が引っ張ってくれたから、1、2年生ものびのびプレーできて、結果につながったと思います。学校生活でも、1、2年生がいろいろやらかしてしまって、そのたびに3年生が怒られることもありました。でも、そういうことがあったから自分たちも改善できたと思うし、言われて気づかされたこともたくさんありました。みんな3年生を信じて、ここまで来れたんだと思います。
ーー来年は追われる立場になると思いますが、この優勝をどうつなげていきたいですか。
今年はこの結果を出したんですけど、来年は警戒されて厳しい戦いになると思います。それでも前の選手は走って、柳ヶ浦らしいサッカーで、自分が点を決めてチームを勝たせたいです。















