
2026年1月3日
第34回全日本高校女子サッカー選手権 3回戦
昌平 1-2 聖和学園
(40分ハーフ)
得点:[昌平]福島紗羅メヘル(58分)、[聖和]鈴木紗保(27分、52分)
第34回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は1月3日、三木総合防災公園で3回戦が行われた。陸上競技場では、昌平(埼玉)と聖和学園(宮城①)が対戦。聖和学園が2-1で競り勝ち、ベスト8進出を決めた。
2得点を挙げてチームを勝利に導いたのは、MF鈴木紗保(3年)である。
試合序盤はFW松井美優(3年)のドリブルを起点に昌平が押し込み、聖和学園は苦しい時間帯が続いた。それでも失点を許さずに耐えると、次第にボールを動かしながらペースを握り、ドリブルやコンビネーションからシュートに持ち込んでいく。聖和学園に流れが傾き始めた中で、先制点が生まれた。
前半27分、左サイドでボールを持ったFW佐藤実玖(3年)が相手をかわし、ゴール前へクロスを送る。これをゴール前で受けたのが鈴木だった。相手の背後でボールを収めると、巧みなタッチで前を向き、左足のシュートでゴールネットを揺らした。
1-0で折り返した後半12分、聖和学園に追加点が生まれる。CKを獲得すると、キッカーのMF伊藤花恋(3年)のボールは相手に阻まれたが、こぼれ球にDF鈴木梨子(1年)が反応して続けてシュートを放つ。そのこぼれ球を鈴木が押し込み、2点目を挙げた。
その5分後に昌平が1点を返すと、聖和学園はこの失点場面でのアクシデントにより、GK福田知未(3年)とDF大橋歩実(2年)の交代を余儀なくされる。
残り時間は20分余り。交代で入った選手も含めて全員でゴールを守る一方、鈴木は得意のドリブルからカットインしてシュートを放つなど、同点を狙って攻勢を強める相手に対して反撃を仕掛けた。
後半アディショナルタイム5分に交代で退いたものの、鈴木はほぼフル出場で最後まで走り切った。試合は2-1のままタイムアップとなり、鈴木の2得点を守り切った聖和学園が準々決勝へ駒を進めた。
試合後、2得点を挙げた鈴木に話を聞いた。

インタビュー
ーー試合は振り返ってどんなゲームでしたか。
最初の方は攻められて、相手のパワーに負けちゃうことも多くて、ハラハラする場面もいっぱいありました。でも、そこで自分のゴールでしっかり決めきれたし、イレギュラーがあった中でも、そういうことも想定してやってきていたので、みんなが落ち着いてプレーできたことが勝ちにつながったと思います。
ーー初戦から中3日ありました。試合を早くやりたい気持ちでしたか。それとも、じっくり修正して試合に臨みたかったですか。
1試合目はすごく怒られて、自分たちのサッカーができていない状態でした。試合をしたい気持ちもあったんですけど、中3日の間に距離感などを修正する練習をたくさんやりました。その3日間で修正できたことがこの試合にも生きたと思います。
ーー先制する少し前から一気に聖和の流れになったように感じました。流れが変わるきっかけみたいなものはありましたか。
自分たちの強みは技術なので、最初は足につかない選手も結構いました。でも、だんだんボールが馴染んできて、みんなボールが足についてきたと思いますし、シュートも増えてきたので、そこから流れが作れたかなと思います。
ーーそれまでなかなかペナルティエリアに入り込めなかったですが、誰かがボール持ってる時の他の選手のアクションが少しずつ増えてきたり、すごくリズムが良くなってきたと感じました。
はい、そうですね。やっぱりみんな巧いので。最初は緊張もあったと思いますし、先ほど話したように足についていなかったこともあったと思います。でも、だんだんイレギュラーな状況が、むしろみんなの力になったというか、一気に団結力が上がったと思います。イレギュラーではあったんですけど、それも私たちの成長の一部になったと思います。
ーー足についてくることで、やりたいことがどんどんできるようになってきましたか。
はい。相手の逆を取ったパスやドリブルが増えて、そこから相手の隙を見つけてゴールまでつなげられたことが良かったと思います。
ーーそうした流れの中で、個人的に一番意識してたことはなんですか。
ポケットへの仕掛けやドリブルは、3年間どのチームよりもこだわってやってきました。自分の得意なプレーをするために、ファーストタッチをどこに置くか、その前のプレーにもこだわることを意識していました。
ーーそうした中での先制点でした。先制点の場面を振り返ってください。どんなイメージでしたか。
実玖からすごく良いボールが飛んできました。シュートの時はあまり意識していなかったんですけど、ファーストタッチには命かけてたので、そこがすごくうまくいって生まれた得点かなと思います。
ーーこの試合に限らず、普段からファーストタッチは意識していることですか。
そうですね。もともとはファーストタッチがすごく苦手でした。下手くそってめっちゃ言われてたんですけど、自主練でも「100本トラップ」という練習があるくらい、トラップの練習はやってきました。
ーー東北での試合と全国大会では、強度の違いもあると思います。実際に戦ってみてどう感じましたか。
全然違いましたね。パワーがあるなと感じました。東北の中だったらある程度情報があるんですよ。何番がうまいとか、この選手うまいよね、というのが分かるんです。今回は動画で見ていただけで、実際にやったことはなかったので、やっぱり違うなと思いました。
ーー2点目の場面を振り返ってください。
コーナーの練習もすごくしていたんですけど、私、競るのが苦手なんです。みんなが必死で打ってくれたボールがこぼれてきたので、それを決めるだけ、という感じでした。
ーー失点と負傷交代が重なりました。想定していたとはいえ、直後は少し戸惑いもあったように見えましたが、ピッチの中ではどう感じていましたか。
確かに最初はパニックに陥りそうになったんですけど、ディフェンス陣を中心に、とにかく声がすごく増えたと思います。戦術的なコーチングもあるんですけど、必死さというか、「頑張れ!」という声だけでも、すごく力になります。声が増えたことは、自分にとっても安心材料のひとつでした。
ーー声といえば、試合前アップでは全体的にあまり声が出ていないように感じましたが、緊張はありましたか。
緊張している人は本当に緊張していて、緊張しない人はしない、という感じで、私たちは結構分かれてます。ただ、その中でもみんな超笑顔なんですよ。試合中でも面白いプレーがあると笑っちゃうような雰囲気で、いつでも明るいんです。だからそこも含めて、このチームで優勝を狙っていきたいです。
ーー右サイドからカットインしていくプレーがすごく印象に残っています。ボール持った時、何を一番優先して考えていますか。
左利きなので、もともとカットインは得意なんですけど、この3年生の一年を通して、縦にも中にも行けるようにすごく練習してきました。例えば中に人がいっぱいいるなら縦突破だし、いなくてシュートで終わりたい状況ならカットインシュート。相手の状況に応じて、使い分けができるようにしてきました。
ーー相手に体を寄せられて、あまりスペースがない中でも抜けていくのが印象的でした。そのために意識していることはありますか。
聖和学園はドリブルにすごく力を入れていて、取られないボールの持ち方というのは、かなり教わってきました。
ーー次に向けてはどんなプレーをしたいですか。
次も強度の高い相手になると思いますけど、その分、矢印も見えてくると思います。相手の逆をついて、また自分のゴールで勝ちたいと思います。