[選手権宮城県予選]常盤木学園の中盤を支えるMF浅沼杏果「“ももかじゃないとダメ”と思われる選手に」

2025年11月2日
宮城ダイハツカップ
第34回全日本高等学校女子サッカー選手権宮城県大会 準決勝
仙台大明成 0-2 常盤木学園
(45分ハーフ)
得点:[常盤木]太田愛華、榊原汐璃

第34回全日本高等学校女子サッカー選手権宮城県大会は11月2日、セイホクパーク石巻で準決勝が行われた。第2試合では仙台大明成と常盤木学園が対戦した(試合は45分ハーフ)。

試合の均衡が破れたのは前半19分、常盤木学園はコーナーキックを獲得する。津嶌咲沙(3年)が蹴ったボールはゴール前でクリアされるが、こぼれ球にいち早く反応した津嶌が再びゴール前へ送り込むと、最後は太田愛華(3年)が押し込み、先制点を奪った。

先制後も常盤木学園が主導権を握る。ビルドアップから相手陣へ押し込んでいったが、仙台大明成も集中した守備からのカウンターで常盤木学園のゴールを脅かす。それでも後半に入ると交代選手を起用しながら攻撃のテンポを高め、徐々に追加点へと近づいていった。

そして迎えた後半29分、常盤木学園に待望の追加点が生まれる。海野安璃(3年)が左スペースへ送ったパスに引田千聖(2年)が反応し、西田野々花(2年)へつなぐ。西田のラストパスに右サイドからゴール前に入ってきた榊原汐璃(2年)が、相手を振り切ってゴールに流し込んだ。

試合終盤に追加点を奪った常盤木学園が、そのまま2-0で試合を締めくくる。これで27年連続27回目の全国切符を手にいれた。

仙台大明成のシュートを4本に抑えての完封勝利だったが、追加点を奪えないもどかしい時間帯も続いた。緊張感のある展開の中で、ピッチを動き回りながら攻撃のリズムを作ろうとしていたのが、浅沼杏果(3年)である。

印象的なシーンがある。後半開始から間もない5分、タイミングよくサイドに動いてDF三上莉奈(3年)からのパスを引き出すと、素早いターンから前方へとつないだ。海野へのパスはタッチラインを割ったが、テンポの良いボールさばきで攻撃のリズムを生み出す。「そのタイミングで受けてほしい」と、三上からも声が飛んだ。

トップ下として先発した浅沼は、最終ラインまで下がってビルドアップに加わったり、サイドに開いてボールを引き出したりと、試合の状況に応じて柔軟にポジションを変えていた。後半にトップ下からボランチへポジションを移した後も、その役割は変わらなかった。

複数のポジションでプレーでき、ゲームを読む力も兼ね備える。チームの屋台骨を支える存在である浅沼に、試合後、話を聞いた。

タイミングよくパスを引き出し、味方にパスを出した。

インタビュー

――最後の選手権を迎え、今日から予選が始まりました。どんな気持ちでこの試合に臨みましたか。

去年の選手権で3位になり、初めてノエビアスタジアムのピッチに立つことができました。もう一度、あの場所に立ちたいという思いが強くあります。今日から予選が始まりましたが、これまでたくさんの練習を積み重ねてきたので、全員で一致団結して、まずは今日の試合に勝って全国につなげようという気持ちで臨みました。

――先制はしたあと、なかなか追加点が奪えず苦しい時間帯もありました。振り返って、どんな試合でしたか。

いつも練習しているビルドアップが、今日はあまり上手くいきませんでした。ただ、メンバーが入れ替わっていく中で、少しずつ良い形は作れるようになっていったと思います。明日の決勝では、もっと良いビルドアップができるように頑張りたいです。

――今の話でも「ビルドアップ」という言葉が出てきましたが、チームとして特に意識して取り組んでいる部分なんですか。

はい、そうです。

――ビルドアップの部分では、具体的にどんなことを意識して練習していますか

ゴールキーパーを含めて、いろんな場所で三角形を作りながら前に進んでいこうとチームで決めています。中盤も回転しながら多くの選手が関わり、全員で得点につなげていこうという意識で練習しています。

――今日はトップ下で先発して、ビルドアップでは最終ラインに下がったり、後半は外に開いたりと幅広いポジションでプレーしていました。どんなことを考えながらプレーしていましたか。

前半は、ディフェンスラインはフリーなのに、中盤でボールがもらえないように見えていました。自分が下がればその分スペースが空くから、そこを経由しながら相手を動かして、空いたスペースでボランチが前を向いて展開できるように意識していました。ボランチの間からセンターバックのラインまで落ちていけば、センターフォワードとボランチの間にスペースができるので、そこからビルドアップしようと思って動いていました。

――後半は、DFから受けてすぐ前につける場面もありましたし、「このタイミングで受けてほしい」という声も出ていました。後半に入って、特に意識していたことはありますか。

前半は左サイドでボールを受けることが多かったので、後半は右サイドでも、もっとボールをもらわないといけないと思っていました。サイドでの動きや上下の動きを増やすことを意識していました。どちらかに偏りすぎると逆サイドが苦しくなってしまうので、自分がもっと動かなければいけないと感じていました。

――今日はポジションを入れ替えながらプレーする場面も多かったですが、あれはチーム全体で共有している意識なんですか。

結構みんな、空いているポジションに入っていったり、ポジションを変えながらプレーしています。

――インターハイ予選が終わってからリーグ戦を戦いながら、この選手権予選を迎えました。この期間、チームとしてどんなことに取り組んできましたか。

インターハイには出場できなくて、聖和に負けてしまったので、まずは聖和に勝つことを目標にしてきました。相手がどんなプレーをしてくるのかを考えながら、プレミアリーグでもたくさんの試合を組ませていただいて、多くの経験を積むことができました。負けた試合の方が多かったですけど、そこからいろんなことを吸収して練習してきました。

――プレミアリーグでは苦しい試合も多かったと思いますが、その経験が今につながっていると感じる部分はどんなところですか。

プレミアリーグはクラブチームなど強豪チームが多く、スピード感や個々の技術が全然違いました。自分たちが劣っている部分も多かったので、頭をしっかり動かさないとついていけないし、相手に対応できませんでした。それに比べたら、高校のチームとの試合では、対応できるようになったと感じています。

――これまではサイドバックやセンターバックでプレーすることも多かったですが、今は中盤やトップ下での出場が増えています。その変化をどう捉えていますか。

個人的には中盤がけっこう好きなので、そこで出させてもらっているのはとても嬉しいです。どのポジションでも出られる選手になるのが一番なんですけど、「ここはももかじゃないとダメ」と思ってもらえるような選手になりたいと思っています。

――そのために、今一番の強みだと感じている部分はどこですか。

私はドリブルが好きなので、視野を広く持ちながらボールを運んで、味方にいいパスを出せるところが武器だと思っています。そこをもっと磨いていけば、上のレベルでも通用するんじゃないかなと思います。

――これから先、どんな選手になっていきたいと考えていますか。

大学サッカーは高校とはまた違うと思います。まずは高校サッカーを卒業するまで、みんなと精一杯楽しみながら戦って、全国優勝を目指したいです。大学生になったら、もっといろんな人とサッカーができると思います。たくさんのことを吸収して、もっと上手くなれるように頑張りたいです。

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