
2025年11月9日
令和7年度 大阪高校総合体育大会<女子の部> 決勝リーグ第3節
大商学園 3-0 追手門学院
得点:[大商学園]牧野生成、高山よぞら、吉良凛
令和7年度 大阪高校総合体育大会<女子の部>(全日本高校女子サッカー選手権大阪府予選)は11月9日、J-Green堺で決勝リーグ第3節が行われた。第1試合では大商学園と追手門学院が対戦。3-0で勝利した大商学園が勝ち点9として、優勝と全国大会の大阪府第1代表の座をつかんだ。
第2節につづいて今節でもゴールを挙げ、2試合連続でゴールネットを揺らしたのがDF牧野生成(3年)である。
大阪桐蔭との第2節では、左サイドから放ったクロス気味のボールがそのままゴールに入り、今大会初ゴールを記録した牧野。最終節でもその左足が試合を動かす。前半4分、大商学園が得たコーナーキックで牧野が左足を振り抜くと、ゴールへ向かって弧を描いたボールがゴールに吸い込まれた。負ければ予選敗退の可能性もある緊張感の中で生まれた先制点で、大商学園は試合の主導権をつかむことになる。
牧野は左利きのセンターバック。元々はサイドハーフとしてプレーしていたが、現在のポジションにコンバートされた。正確な左足のキックを武器に、大商学園の強みであるサイド攻撃の起点を担っている。
大商学園がインターハイを制した直後の8月、牧野はFW内田桜央(マイナビ仙台レディースユース)、MF角谷瑠菜(ジェフ千葉レディースU-18)とともに、JFA主催の「育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD collaborated with ANA」に選出され、バイエルン・ミュンヘンのユースチームの練習に参加した。そこで得た刺激は、今予選に向けた大きな経験となっているようだ。
試合後、牧野に話を聞いた。ゴールに関する意外な事実をはじめ、センターバックとして意識していることやドイツで得た気づきなど、今大会のプレーに結びつくさまざまなテーマについて語ってくれた。

インタビュー
ーー2試合連続ゴールです。ゴールを振り返ってもらいたいんですけど、どういう狙いでコーナーキックを蹴ったんですか?
ファーサイドに速いボールを狙ってました。今日はアップの時から調子が良くて、そのイメージ通りに蹴ったら入ったという感じです。(狙ってたんですか?)味方に合わせようと思ってました。
ーー第2節の得点はロングシュートでした。あれはどういう狙いだったんですか?
あれも中野選手から落とされた時に、クロスをファーに入れようと思って蹴ったら入った感じです。
ーーじゃあ、2試合とも狙ったわけではない?
はい(笑)
ーーそうだったんですね。でも左足のキックには自信を持って、最近はプレーできてるんじゃないかと思います。そこは手応えとか、自分自身どう感じていますか?
左足のキックは自分のストロングでもあります。そこは意識してプレーするようにしています。
ーー日のゲームを振り返って、どんな印象ですか?
相手は勢いがあって、一発のチャンスを決め切る力を持ってるチームでした。相手の勢いをなくすために、ロングボールに対してチャレンジ&カバーをはっきりする意識を持ちながらやれたのは良かったです。後半に押し込まれてしまう時間もあったので、そこは改善していきたいです。
ーー特にツートップ、9番と11番は得点力もあって、警戒しなくちゃいけない選手だったと思います。この2人に対しては、どんな対応を意識しましたか?
縦に速くて、シュートを決め切る力があるのはわかっていました。前を向かせないことや、シュートを打たれそうになっても冷静に対応することは意識できたかなと思います。
ーー今シーズンはセンターバックとしてプレーしています。このポジションで意識していることは何かありますか?
左足で持った時には、対角にも縦にも蹴れることがアドバンテージやと思います。そこを意識してプレーはしています。
ーー大商学園にはサイドに突破できる選手、真ん中には収められる選手がいます。どういうことを意識しながらボールを配球していますか?
試合の入りでは勢いを出すために、背後にどんどん蹴って相手をひっくり返すことです。あとは時間帯や試合の流れを見て判断しながら、ゴールに向かうビルドアップを意識しています。
ーー去年は3年生のセンターバックが2人いました。その2人が卒業して新しいコンビになりましたが、ディフェンスラインを含めてここまでどう感じていますか?
今年の大商学園は攻撃力があって、守備は少し落ちる分、失点しないことをチームとして目指してやってきました。無失点でいけたら負けることはない。それをみんなでずっと言い続けて、練習の時から失点しないことを一番に考えてやっています。
ーー失点しないために、どんなところを一番気をつけていますか?
ラインコントロールの部分です。ディフェンスラインで声を掛け合いながらやることは、チームが始まった時より今はできてると思う部分やし、個人の強さも組織的な守備も意識してやっています。
ーー決勝リーグ3試合のうち、大阪桐蔭戦では先に失点しましたが、他の試合は無失点で終えられました。手応えはありましたか?
インターハイから失点が続いていて、点を取れたからカバーできていた部分がありました。やっぱり失点しないことが大事やっていうのはみんなで感じていたので、まず無失点というところを意識してやってきました。1失点はしてしまったんですけど、最小限に抑えられたのは、チームとしてやってきたことが間違ってなかったんやなと思います。
ーー今年の夏、ドイツ(JFA アディダス DREAM ROAD collaborated with ANA)に行きましたが、どんなことをしてきましたか?
ドイツではバイエルンU-20の練習に参加させてもらいました。今までには感じたことないようなスピードやったり、フィジカルの強さを感じて、通用する部分もあったんですけど、自分の足りないところをあらためて実感する場になったと思います。そこで新たな気づきもあって、今後の成長につなげようと思いました。めっちゃ素晴らしい機会でした。
ーー向こうで気づいたことで、日本に戻ってきて、何か取り組んでることや、普段から心がけていることは何かありますか?
ピッチのエリアによって守備のやり方を分けることです。前から行ってる時や、強く行かないといけない時はアグレッシブに守備をするとか、逆にゴール前ではシュートを打たせないための対応をするとか、エリアを考えた守備を意識するようになりました。
ーーードイツ遠征を経験して、自分がどういう選手になりたいかとか、将来のイメージは何か持ちましたか?
絶対にチームで選手権日本一を取って2冠を達成するために、何をしないといけないかが明確になりました。この決勝リーグに向けてもそうやし、選手権が決まった今では、選手権に向けてチームとしても個人としてもどう進化していかないといけないかが定まったというか、明確になりました。
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